お香の焚き過ぎでしょうか、肺が痛いです。
pです。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今月に入ってからどうにか時間を見つけては見続けてきた映画を順に枚挙していきます。
1 ルパン三世 カリオストロの城(宮崎駿監督作品)
2 ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜
3 ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト
4 ルパン三世 ワルサーP38
5 ルパン三世 死の翼アルバトロス(宮崎駿監督作品)
6 ルパン三世 生きていた魔術師
7 ルパン三世 ナポレオンの辞書を奪え
8 ルパン三世 風魔一族の陰謀
9 ルパン三世 ルパンVS複製人間
10 ルパン三世 愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days〜
11 ルパン三世 バビロンの黄金伝説
12 ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!
13 ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎
14 ルパン三世 ルパン暗殺指令
15 ルパン三世 燃えよ斬鉄剣
16 ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス
17 ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!(栗田貫一正式就任)
18 ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
19 ルパン三世 1$マネーウォーズ
20 ルパン三世 お宝返却大作戦!!
21 ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜
22 ルパン三世 アルカトラズコネクション
23 ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ
24 ルパン三世 霧のエリューシヴ
25 ルパン三世 ロシアより愛をこめて
26 ルパン三世 GREEN vs RED
別枠 最終話 さらば愛しきルパン! (宮崎駿監督作品)
御覧の通り、全てルパン三世です。
途中(12)から年代順に見ています。
さて、内容ですが、押し並べてルパン三世シリーズはメッセージ性や社会風刺がふんだんに取り込まれているアニメです。一日一本以上見ている計算なので、情報量が相応なので若干錯綜していますが印象に残ったところだけでも書き残しておきましょう。
・ルパン三世とは「概念」であって、個人(固有)としてのものではない。
・ルパンの正体は不明の設定であるが、日系と仏系の血を継いでいる。そのためか日本のお宝が狙われる対象になりやすい。また日仏の親善関係のシーンも取り入れられ、それが現実の外交を模倣していたりしていた。
・お宝に軍事機密が関わってくると痛烈ながらも時には辛辣な風刺となる。
・戦争が関わってくると皮肉を経由した風刺となる。
・軍事関連には人間の性を出している。
・シーンにメッセージに繋がるコンテンツがふんだんにあることは当然で、それを読み解くのが楽しい。が、やはり繋げていくのは難しい。
・宮崎駿が手掛けると、より度が強くなる。風刺はより強烈になり、絵もジブリのタッチになる。そしてシーン中にはジブリのキャラクターがねじ込まれていたりする。
・彼が勧善懲悪を正面からとらえていない点が面白かった。
・次元は「おれぁバーボンしか飲まねぇぞ」と言う。が、すぐに不二子の飲みかけのワインをラッパ飲みしたところがたまらなくかっこいい。そして実はカクテルも飲んだりする。
・デザートイーグルを「品が無い」と一蹴し、マグナムを愛するところが、私と抽象的に似ている。
・ルパンと長い間いることで、重火器のみならずコンピュータも扱えるようになった。対戦車ライフルを扱うシーンが格好よい。
・五右衛門の脱俗的悟りと、一方での金稼ぎは最早モデルと化している。
・ウィスキーを飲まされシケモクをくわえさせられて斬鉄剣をふるうシーンがかわいい。
・ルパンによれば裏切りは女のアクセサリーや特権であって、それを許容できるかどうかが男の真価であるという。
・ルパン一味と銭形警部の「くされ縁」という関係設定と、いざという時の協力体制にはいつも恐れ入る。
・ハッピーエンドにも何らかの負の余韻を入れているところに趣がある。
・科学ネタや現実性は驚くほどピンキリなのに調和がとれている。
・固定概念が盗まれる。
もう、書ききれませんし見ていただいたほうが早いですね。ファイルサイズでいうと15ギガバイトほどです。
砂肝に義務というモルディードランカー路線の私を選ぶような映画でありました。
どれが一番「良い」かと聞かれればそれは一寸野暮ですが、私が好きな作品は2008年のルパン三世 GREEN vs REDです。順番は最後で正解でした。ルパンに肩入れしていない人が見ると大変です。
中身はルパンの定義というと趣旨から外れそうですが、ルパン像を視聴者に問いかける作品であると思います。ルパンは自身を自由そのものであると言わせながら銭形としては犯罪者といわせていたり、シーンや時間軸をちぐはぐに織り込んだり、複数のルパンが現われることによって「従来」のルパンをも含む「本物」と「偽物」との様々な曖昧さや、そうして浮かび上がるルパン像をゆるりと包括的に描いています。お家芸では、若者の潜在能力を認めない大人への挑戦がありました。ラストシーンも今まで見てきた映画のなかでも最も余韻ありあまるものでした。内容が内容なので、評価を低く出す人がたくさんいるようですが、私はこれが好きです。見終わった後で悶々としていました。こんな映画を傑作というのではないかと思います。
センスを磨けるかなと思い見るようになった映画、まだまだ力不足を痛感いたします。
再拝