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  「何か」を残すための備忘録ブログ
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 三月三日。

 宜野湾へ。海が見たいと言うので、初日に満喫したトロピカルビーチへ。風が強く曇天ではあった。海は依然として爽やかなれど、陰りが見てとれる。コンベンションセンターは、落ち着いていた。
 昼下がり、土産を買うべく国際通りへ。二人で沖縄屋本店の図体の大きさに不満をもらし、送料の相場を計りつつ小さな土産屋を訪れて、紅芋タルト等の買い物を済ます。小さな小瓶いっぱいのカラフルな星の砂を「これも袋にいれておきましょーねー」。琉球の人柄が伝わる方言。後に、酒の肴となる。
 塩屋に入ったり、岩塩の照明に憧れる。チャットモンチーのアルバムの御使いも頼まれたのでタワレコへ足を運んでみると、バンアパのコーナーが設置されており、画面には「Waiting」のPVが流れていた。アルバムは探させて、自分は、釘づけになる。バンアパは東京は板橋のバンドだが、那覇の一角で佇んでいる。遠方の方々にもこの素敵な音楽を知ってもらえれば嬉しくなる。
 沖縄らしいコンクリ打ちっぱなしの門構え、現代的な立て看板を掲げる、首里天楼で飯を食う。店内は流水を跨いだ座敷にて、琉球らしい趣があった。ソーキそば等の麺を吸い上げ、青マーチの一向は待ち合わせへ向かった。
 海中道路をふらふらと走り小島へ。平安座島だったか。いっぷく屋というカフェへ。ここのカフェが殊更素敵であった。理科好きな私の心をくすぐる、実験器具の中の星の砂。三角フラスコが、素敵。ぜんざいを掬い上げつつ窓の外を指さして「あそこの海に入っている親爺は、果てしなく胴長だ!」と右脳発言をする一向。発起は、浜からよほど沖にいるところを見つけた私からであったが、そこから目が離せなくなった。
 その帰途に、HYの由来を見たり、前を走るプレオの中の子供に手を振ったり。
 沖縄の女子高生は、ショートソックスをはくようで、それが非常に面白い。車窓から逐一突っ込みを入れるが、対象が多すぎて突っ込みが間に合わない。「顔が濃い!顔が濃いのにくるぶし!」「ヤンキーだ!ヤンキーでもくるぶしはいてる!」意気揚々とする。
 陽が落ちると400キロ走ったレンタカーを納車し、北谷食堂へ。労いの飯を畑山へ。海ぶどう、ラフテーをつまみつつそばを吸い上げたり、にんじんチャンプルに箸を伸ばしながら、小学生の時代に思いを馳せて、笑った。飯も、うまい。酒は、名護のパイナップルワイン。食後には夜の海を拝みに一寸歩く。やはり、吸い込まれそうな怖さがあったが、遠くに見える観覧車がきらきらしている。等閑なスケールで丁度良い。
 外人墓地が街中にあるというので、そこへ連れて行ってもらう。隣のコンビニに車を止めるが、ヤンキーが絵に描いたようにたむろしていて、それを鼻先であしらいつつ墓地のフェンスを飛び越えるかどうかで躊躇する。
 車に乗り込みブルーシールへ。アイスを買って、謝刈交差点へ。夜景のきれいな坂に駐車、ニヤニヤしながら夜景を見て、このスポットを味わう。しみじみと、時間を意識し始めたのは私だけであったのだろうか。

 それからホテルまで送ってもらった。「あ、ここ一方通行!」と、見送る車に言い放っても後の祭り。笑う。
 
 そうして、沖縄の夜が、終わった。
 ホテルのパソコンは、未だに私を助けてはくれなかった。

                              再拝

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 三月二日。

 朝から車に乗り込み、島北を目指す。立体交差等が架かる道路を進み、高速道路に入った。パーキングエリアで朝飯を買いこむ。ジューシーという炊き込みご飯のお握りとルイボス茶を飲みながら約2時間半のドライブを楽しんでいると、推定時速120キロで突進をかける車を横目した。この日もまたたがうことなく、沖縄の車文化を考える。
 美ら海水族館へ。花からできた鮫のオブジェが、かわいい。平日だというのに、大いに賑わっている。チケットを買い改札をくぐると海星を実際に触れることのできるスペースがあった。硬い。
 カクレクマノミやウツボ、見たこともないような魚類がいたが、やはり巨大水槽は圧巻だった。日本最大級の大きな水槽に、大きなジンベイザメやマンタなどが回遊している。小判鮫がかわいい。三体の鮫を同じフレームに収めようとシャッターを切るのに勤しむと、実はお手前が見えなくなるのであった。巨大水槽に使われる大型ガラスと、それを繋げる特殊接着剤の屈折率の蘊蓄は知っていたが、やはり目の当たりにすると、ただ雄大さを感じる。
 お昼を済ませたあとに、イルカショーを見る。最前列から二列目までには飛沫が飛ぶので五列目に陣取り、長いチュロスを食い啜りながら開演を、プールサイドでSwimmingするベテランイルカと待つ。イルカの加速は目にも止まらず、そのジャンプは高かった。ベテランイルカは、褒美に駄駄をこねる芸を見せるが、飛沫を飛ばす腕は流石であった。BGMは、Flowのメロスがリピートしていた。
波打ち際まで下ると、一人でいた男に写真をとってくれと頼まれ、相互に海の向こうにみえる島をバックに撮影。
海亀やマナティーを見た後、車へ戻った。駐車場は、「わ」ナンバーで溢れ返っていた。
 今帰仁城には、首里城かは万里の長城のような石塁があり、木が根を強く張っている。物見櫓の機能は健在だが、生活感が取り除かれているので、南部とは違った虚無感があった。ここでも、サーターアンダギーを食べる。琉球村のほうが、うまい。
 古宇利大橋を渡り、島を迷走した揚句にカフェへ辿り着く。テラスからの眺望を正面に抹茶ケーキに舌鼓を打ち、寒いくらいの風の中、アイスコーヒーを飲む。さっき通った大橋と、島と、雲。どこか松島のような雰囲気もあった。
 名護を通り、パイナップルパークへ。非常に残念なことこの上ない糞カートに乗り込み、数分の茶番ツアーに付き合う。
 しかし、その後の試飲試食し放題は良かった。進んでは戻り、進んでは戻り、腹が足りてくる。ワインが美味く、二本購入。うち一本は間接照明からの光が照り映ゆる琉球ガラスに詰められたもので、気に入っている。帰宅後、パイナップルワインとマリブをビルドしてみる。シークワサーのジュースもうまかった。パイナップルの果肉は、吹っ切れた後は間髪入れずに口へ放る。
 夜はおもろまち界隈のカフェへ。店内は一行を除き全員女性であったがこれといった疎外感はなく、さつまいも、鶏肉、カボチャを煮込んだものを美味しく頂いた。ここのトイレは、素晴らしい。
 その後はグッドウィルというパソコン屋に立ち寄り、デジカメ用にSDカードを購入。2GBで五百円。サンエー那覇メインプレイスに立ち寄り、沖縄のスーパーを覘いてみる。たらの芽を発見。山から採ってくる家のものにとっては、意外と高価に感じた。沖縄のビール消費量は金額ベースで年間1万4千円と全国最低であり、泡盛への嗜好性が高いことと、サンエーの旗艦店であるだけに、泡盛の品ぞろえは良い。
 粒状洗剤を買い、ホテルへ戻った。
 ロビーのパソコンは、相変わらず使い物にならないままである。

                              再拝


 三月一日。

 どよめく朝に、起床。目覚めは覚束無く天気は四部の曇り。
 シャワーを浴びて支度を始めるころには雲の隙間から陽が差し込む。レンタルパソコンを閉じ込みフロントへ返却した後で、チェックアウトを済ませた。
 美栄橋へ向かったところで友人Kと待ち合わせの電話をつけた。沖縄の海を彷彿とさせる鮮やかなブルーのマーチで路肩に現れ、飛び乗って発進。幸先はいい。
 この日は南部へ車を走らす。朝飯にポーク卵おにぎりとLG21を買い込み、この日も車線変更時にウィンカーを上げない仕来りに驚愕と感嘆を口にして、斎場御獄を目指す。左手に東を望み、海がが広がる道路に出るが、運転手のKはそれどころではなく集中していた。「俺はひとつのことしかできない。」
 遥か遠い南西の海底に築かれた遺跡として、ニライカナイという名前と信仰概念は存じていたが、その名を負う橋の大きなカーブを駆け上がった折りのパノラマは、橋下駄と気団空間の配置がすばらしく、海と空の眺望に感動した。登りきるとトンネルがあった。助手席から窓の外に手を放り出し、デジカメで二人と車内を撮影。この時、半そでのTシャツ1枚である。
 斎場御獄へ到着する時には少し晴れていた。「斎」という字が宗教字ということは知っていたが、神聖な場所というのは、土地柄あいまって、陽が入らないイメージがある。まるで崖のように背の高い、堀し出した岩肌から伸びる鍾乳洞あるいは「酸化雨」にただれた金属のような質感・表面の二本の岩先から滴る雫と受け壺いう呪術的場所。大きな一枚岩が二枚、もたれかかる様に立てられ、穿たれた空間の先から回析する光がトンネルの奥行を長たらしめる「三庫理」。そこを通って見える物見からの景色は、緑が額になる天然のフレーム。海が映える。
 「烽火三月」とはまさにこのことであった。
 斎場御獄を発ってからは、有刺鉄線が立ちはだかる沖縄刑務所の前を通過して、ハーブを使ったアジアンカフェ「くるくま」に向かう。アセチレンボンベがある駐車場は満席で、すこし距離を置いた場所に駐車。有名どころには人が集まるので、入店できるまでの待ち時間に大きなクリスタルを見たりアンモナイトの化石に手を触れてみたりした。ウミガメがいたり、黒猫がいて、なついてくる。二酸化ケイ素化した木の化石「珪化木」から成るテーブルをなであげては、感動する。雨ざらしながら、なんとも素敵なテーブルである。
 カフェではカレーとナン、それとハーブを使ったサラダで昼餉。案内された席は窓際で海を一望できた。青空と海は、いい。
 大食いに自信がないわけではなかったが、サラダは食い上げきれなかった。初日のこととあいまって、悔やまれる。非力さを痛感。
 三基のうち一基しか稼働していない風力発電のユニットを見ると、南部らしい「死」を感じた。
 午後になって平和祈念公園へ車を走らせると、仲村渠という地名が道路地図に書かれてある。苗字がもともと土地や屋号に由来するものだとは思っていたが、沖縄はそれが多いのであろうか。儀保もそうである。
 到着後すぐに献花と線香を売り込むおばちゃんがいて、それを受け取り宮城県の戦没者を祀る「宮城之塔」に献上した。入口からは遠い場所に置かれてしまったが、海に付し、風が気持ち良い箇所であった。
 都道府県別の祈念碑が並ぶ中で、一際立派な塔がある。日本列島改造論を唱えた田中角栄を誇る新潟である。何がなくても道路がある新潟。権力を感じる。
 そして、名前。あれほどの名前が並んでいると、体の芯から震えてくる。南部には死霊やそれの祈念の、どこか死者を身近にというか、肌身に付すかたちで置くような文化を感じる。(帰京してから新宿で辺野古についての本を手に取ったが、糸満の集団自決の数は軍を抜いていた。再訪する時は文献を読んでからにしようと決めたので、また違った見聞になるのだろう)
 弔いの名前は何万人と碑に掘られているが、端数が無い。綺麗に五百人単位であることから導き出される解答は、未知数、変数、不明数。
 そして、海を見た。珊瑚がある浅瀬は色が明るく波が穏やかであるのに対して水深があるところは色が群青で、境には白波が立つ。某所の建物の中で、垂れ流しのVTRから泡盛が何たるものかを知った。
 その後、ひめゆりの塔へ向う。
 ここは、気が滅入る。黒の質量体が歪(ひず)み発生させるように、特異点へ向けて心が落ち込んでいく。落ち込む。壕と死臭、ひめゆり学徒、解散。一人一人の性格が一言添えられた顔写真が並ぶ部屋には、心打たれた。生き残った住民のコメント映像も浸み入る。小学生の折に、生存した女性を体育館に呼びあげて話をしてもらう機会があったが、やはり実体験ある人の口から語られる戦争の実情というものは凄惨なものだ。戦略や戦争の経済学を忘れさせる程に心を黒くする。この場所が最も、戦争を自分の中に取り込める場所だったと思う。東風平は読めたが、以前は読めなかった南風原という地名がひどく心に残った。
 ひめゆりの駐車場で気分一新、ジェラートなんかを吸い上げながらサトウキビ搾取器を見たりした。
 日が暮れてきた頃に、瀬長島に行き、橋の中腹に車を停める。腹を見せて真上を飛び行く飛行機と轟音。近場で見れば見るほど、巨体である。
 大して腹が減っていないという二人は何も食わずに、tiltが出演するライブハウス「k-mind」へ向かう。帰宅ラッシュが始まって道が混んでいた。場所を確認した駐車場の具合を尋ねると「田園書房を使うといいよ」極東ピーコックというバンドである。素敵。
 一見さんへの説明は「銀杏BOYZテイスト」は確かに感じられるが、一線を画していてかっこいい。ティッシュを配るというオノチンよろしくを見せ、口ベタと伺えるボーカルのMCがあると思いきや開放弦のみを用いた音符をアシンメトリーに配置したようなリズムフレーズは実に見ごたえがあり、Still AwakeのPVの様に後でパート別に再生したくなる。かっこいい。ベースはやはり黙々と、虎視耽々とフレーズを埋めていた。大史も同様で、私とは正反対のタイプである。群青日和が一番速いと言っていたtiltが16分を刻んでいた。面白い。ハルキタイム。実に面白い。
 ライヴ終了後、一寸の時間tiltとDが話をする時間があった。

 ホテルにチェックインし、一段落付いたあとその日撮影した写真をSDカードからUSBフラッシュメモリに転送しようと、ロビーの隣にあるパソコンに向かった。USBハブのフロントポートが狭く、正面に用意された2つのポートはまるで使えない。仕方なくラックに納まる筺体をひねり上げ、マウスをフロントポートに接続し、SDカードをバックポートにねじ込んだ。
 フリーズ。強制終了を、バディー・リッチが降霊したtiltよろしくで連打。
 「馬鹿が」とつぶやき転送を諦め、配線を戻して部屋に戻った。
 馬鹿は自分である。


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