帰リ道、水道橋で中国人が経営する中華料理屋に立ち寄り、上海あんかけ焼きそばを食べてみる。地元にも同じような店があるが、どうしてもあの油の量についていけない時がある。一日置いた今も、歯茎が毒されている。唐揚げの彼と同じ症状のようだ。コンビニで買ったウーロン茶が沁みるのは、睡眠不足の自分に対する戒めであろう。
pです。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
the band apartのライヴを拝見。今回は予約した新譜が届いた二日後にライヴがあり、聞き込む時間が少なかった。正直、地方の人が羨ましい。会場のJCBホールは、地下二階にステージとフロア、地下一階と地上一階に座席がある地下吹き抜け型で、私は地上一階の指定席でゆっくりと眺めることができた。最近、このバンドの進化が目覚ましすぎる。それは人込みで聞けるものではないので、ポジションは良かった。
前座としてavengers in sci-fiというスリーピースバンドが演奏した。近未来サウンドといえばよいか、エモ、フュージョン、ありとあらゆるエフェクトを「かき上げた」あの音は、ドーピングパンダのレベルではない。堅過ぎるバスドラムを柔らかくしてテンポダウンさせれば、かなり好みに近づく。ベースは恰好や長髪からして佐藤友哉似で、川崎ヘドバンをしていた。今後の活躍に目が離せない。
さて、今回のバンアパの新譜のタイトルは「Adze of penguin」。歴代の作品の中でもさらに音の多様性を取り揃えている。あらゆる音楽要素をすべて取り込み、卓越した技術で雑味は流暢に、端正は等閑に、いわば次なる次元に昇華させるセンスがバンアパの大きな魅力の一つだ。制作に関わる小暮氏のセンスは、成長して止まない。ドラムにカウベルやタンバリンを設ける人は中々いない。ましてそのドラムに高速フレーズのギターを持ち込んで来る輩は、である。また今回のライヴでは技術面の成長も顕著であった。CDとは別の、ライヴ版で刻まれる複雑なバスドラムのビートが心地よい。Eric . Wのそれは、最初は「いつもと違う」とすぐ違和感を覚えたが、繰り返されるフレーズが徐々に沁み渡り、結果的に好きにならざるを得ない。ヤクザを彷彿させるオールバックスタイルで私を魅了した川崎氏は髪を切り可愛いくなったが、新しいオレンジ色のモズライトから届くあのサウンドはキレを増しているように思える。全力のヘドバンをしながらスウィープを弾くは初めて見たが、格好のよさは格別だ。
フェードアウトに一人一人順番に演奏を止めて退場するという形態も非常に格好好い。
彼らのMCはいつも面白い。原さんの発言を断片的に記すとする。
「日ごろ感謝することがない。まあやることっといったらモンスターハンター。まぁだからツアーに出かける反面、狩りに出かける感じ。」
「この間までではグランドセフトオートをやってて、時代は変わったなぁ、と。」
「モンハーは糞ゲーだ。雑魚は一発で死ぬからいいがでっかいやつは、横からツンツンツーンって、コリコリコリーって。PSPを何回も折りそうになった。」
「グランドセフトオートには、対戦で、町の地図から相手の位置を分からなくさせるアイテムがある。敵がそれを使っているのに、地平線からまっすぐにトラックが来る。派手に殺す、ですよ。」
「モンハーで、出現ポイントではってるやつ、面白いのかそんなことして。」
「みんなゲームしないの?だってくそみたいじゃん、こんな世界がね。ゲームのほうよくね?ほんとに。何がヒラリーだよ。」
最後に感謝を述べる時、沢山の人に来てもらったことに対して
「こんなに雁首が揃うこともない」
そして、荒井さんもゲームを嗜んでいるようで。
「オンラインゲームで人を殺しまくる戦争ゲームをやってたんですね。戦争のゲームだから戦車とか、飛行機とか当然あるんだけど、俺は歩兵で、ライフルなんか持っちゃってて、それで、しつこく俺を狙ってくる飛行機がいて、トンネルに逃げたらホバリングしてトンネルの中まで追っかけてくるんだ。手りゅう弾投げまっくて応戦したけど、ミサイルすっと撃ち込まれてすぐ殺されたね。
彼らの人となりは、月並みで陳腐なミュージシャンのそれとでは、成長する環境が違う。つまり刺激の質がよほど異なる。
「狂う狂う。」
そんな彼らが憧憬であります。
タイトルは今作のトラックNo.4、「I love you Wasted Junks and Greens」をなぞったもの。
再拝
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