充実を噛み締める 其の二

　現段階では、東京は質も当然ながら量的な「発見」に溢れているので、金と時間という資本があると、無限に楽しく思われる。

　pです。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

　高円寺を訪れると、南口には大きな通りと、商店街が並行している。南に下る場合は普通この道を通るのだろうが、ストレンジャーを楽しむ覚悟で違う通りを選び歩いていると、服屋のエリアに到着。運がよかったのだろうか。しかしながら、前日に原宿を訪れていたためか、どうも商品に手ごたえがない。碌な地図も持たずに散策したので、それなりに楽しみはあったが、いい店を見つけることができないでいた。時間をかけていると、ひとつ見つけた。そこの店員のひとりが佐藤友哉に似ていて、avengers in sci-fiのベースと同じレベル。
　南方面を大まかに把握したあとは駅を通過して北側を散策するべく、復路は素直に商店街を通る。この街には商店街が複数ある。しかも、活気がある。私と同じ世代の若者が婦人服屋に入ったり、その逆も然り。そういう風土なのだろう。ただ商店街が複数あることが気にかかる。商工組合はまとまっているのだろうかと、職業柄に杞憂する。
　駅を通過したあたりで酒屋を見つける。職業病的に立ち寄る。通りに面した外の棚に、胡散臭いカシスリキュールを見つける。カシスはルジェ・クレーム・ド・カシスに決めているため、安価だったが買わずに手に取りラベルを見るのみ。店内に入り、洋酒を眺める。オールドパーのハーフボトルを見つける。所見につき感動。フルボトルで買うと4000～6000円する高級スコッチ。ハーフならその値段の半分超が妥当だが、ここの価格はフルボトルで4000円、ハーフで1480円。トリックは知っている。正規輸入の場合のオールドパーの最低市場小売価格が4000円代になることは決してない。それを知っていながらも、ハーフボトルを購入。アルコールが遺伝的に弱い場合は、対アルコール消化能力を、効率良く分配して使い、加えて味における嗜好面での効用最大化を図るのは当然。そう決めている自分に謝りながら、瓶が割れぬように緊張しながら散策を再開する。
　北方面は、より商店街が根強くに賑わっている印象を受ける。エスニックを扱う店で、タイパンツを購入する。私はよくワイドシルエットのパンツを好む。それらには一貫して通気性があるので、夏は本当に助かる。冬でもやせ我慢か、タイツを履いてまで、履く程である。タイパンツももちろんワイドな逸品である。ゴルチエの巻スカートパンツや佐藤友昭が履いていた右足がスキニーのように細く左足がワイドなアシンメトリーデザインのパンツのようにも、シルエットが変えられるデザインが大変良い。デザインは多数あったが、コットン素材のカーキ色を購入した。
　ボトムスで気に入ったものを見つけたのは久しぶりであったので、ある試験の帰りに藤崎で焼酎を買って帰った時のようなホクホクとした気持ちでその日は帰路についた。

　日を改めて、渋谷に訪れる。　神泉駅で降り、道玄坂を徒歩で下り、マルイジャムに続けてマルイシティを通過し、パルコpart1の中のL.H.Pに寄る。水色のビビットカラーのTシャツを買うか迷う。レコルトにも立ち寄る。パルコを出て、アローズに入る。入口に１Fレディース２Fメンズと看板がある。入口からは死角で階段が見えず、一寸戸惑った。路地を入り、エリアを見つける。ミッドウェストから訪れたが、店の入口がビニールのカーテンになっているのは初めて見た。深い臙脂のドレッシーな靴を探すものの買えるはずもなく、退店。原宿にもあったCA４LAを見つけ、ナノユニバースも見つけたが入らなかった。シップスも見えたころ、RAGTAGを発見。下北沢とは比べ物にならないほど店舗規模が大きい。この日はここで一着だけ購入できた。商品一つ一つが、ブランド名を知っているだけにも関わらず、見ているだけで楽しい。RAGTAGが好きだと改めて思ったが、同時に、この間の奴らにブランド知識で大きく後れを取っているので、勉強しようと決意する。プライマルも中を覘くと中々こじんまりしていて悪くはない。佐藤悠司が履いているような止血紐つきのカーゴパンツを久しぶりに見た気がした。ビームスプラスでは、原宿のビームスTのような電気モーターを使ったTシャツディスプレイがなされていた。フリークスストアはセールということもあってレジに10人以上並んでいたが、とりわけ欲しいアイテムはなかった。もうひとつビームスがあったが、仙台より小さい店舗で品数も少なかった。ハレにも寄ったが、すぐに店を出た。この日は夜から新宿で集まりがあり、待ち合わせが近付いてきたので、移動した。

　新宿東口交番前という場所を下見した後、伊勢丹に向かった。伊勢丹のフロアガイドを見ると、伊勢丹メンズ館の３階に恐れ多いお目当てのショップがあった。伊勢丹を通過し、メンズ館に入り、目指してみる。３階まで階段で行き、探すも見当たらない。Y'sは見ておいた。フロア案内板を見ても、お目当てのショップが見当たらない。ふと、現在地が伊勢丹だと、発覚する。３階連絡通路を通り、ようやく伊勢丹メンズ館へ到着。メゾンマルタンマルジェラにエイズTを着た澄まし顔の男が特攻。店舗規模が小さいのに店員が多く、他に客がいないので過剰に存在感を感じる。ベージュのエイズTを入念に眺めざるをえない。他のTシャツは⑩で、２を超えている。靴は値札を見る気さえ起きない。以前友人が仙台のマルジェラに行ったとき、彼自身は自覚していたが、店員が「お前には高くて買えないよ」と示唆した視線を送ってきた」と言っていたが、私の場合エイズTが裏目にでたことは言うまでもない。ここでは当然買えるはずもなく、斜め迎えのディオールにポーカーフェイスのルナティックが特攻。こちらは他に客がいて、そちらに接客が向いていたので比較的楽に眺めることができた。
　命からがら撤退した後で、階段に設けられたソファーに着陸。


　最も耳に新しい椎名林檎の形容、「新宿系」を思い出し、一人ひき笑い。後にニヤニヤに変わり１０分ほどそこで憩いを取る。イヤホンから流れる音楽は当然群青日和にチューンする。

　飯の後、先輩の家に泊まることになり、錦糸町まで向かう。投資の勉強をした。定価１万マイクロソフト製のワイヤレスマウス、携帯のバッテリをもらう。なんというお人だ。


　今日は、北府中にある東芝の事業所に見学に行った。30度を少し超すくらいの過ごしやす天気であったが、さすがにスーツは暑い。サラリーマンの辛さを実感する。
　北府中事業所では社内カンパニー制、つまり会社の中に会社があるという体制が取られている。多くの部門が集まっており、規模は日本の東芝のなかで最大であるために、肩書が事業所となるらしい。
　　ここに詳しくは書けないだろう。
　見学はエレベータ製造部門、スイッチギア部門、電気機関車部門を見た。
　　ここに詳しくは書けないだろう。
　一つ質問をした。「エレベーターは現在、機械室のコストカットはされているが、錘と乗り籠方式ですよね？そこで、ネオジム磁石を用いることで錘を不要しに、籠だけの循環式エレベーターの開発がなされていると、テレビで聞きました。その開発内容の前に、東芝さんがその開発をやっているかいなかを聞くのは、これも企業秘密になりますか？」と。
　　ここに詳しくは書けないだろう。
　いい経験をした。私のパソコンは東芝のQOSMIOであるが、さらに東芝が好きになりそうだ。

　高円寺を再び訪れ、２本目のタイパンツを購入。黒のレーヨン素材。原さんは「アロマに逃げる」と明言を残したことと、お香は煙が気になることが重なって、アロマオイルを購入。実際焚いてみると、ポットが熱くなりすぎているのではないかと不安になります。

　小暮氏は、冷奴がよく似合う。
　贅と涼をとるために作ってみた。
 

　豆腐に、鰹節を多めにかけ、梅肉と葉肉を添え、青じそドレッシングをかける。実に簡単なものだが、うまい。ロックアイスも久しぶりに出してみた。



　明日からオフィス通いが始まる。
　アロマオイルを染み込ませたティッシュを枕元に置いて、寝るとしよう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　再拝